島根県の出雲大社を宗祀とする出雲大社相模分祠(読み方はいずもたいしゃさがみぶんし)は、縁結びの神様として有名。
別名、「関東のいずもさん」と親しまれています。
正月のダイコク市や春の梅まつり、夏のほおずき市、朝顔市、七五三詣など季節ごとに豊富な行事やお祭りが催され賑やかです。
また、拝殿と「千年の杜」の入口には、南はだの村七福神と鶴亀めぐりの「大国様」が鎮座し、御嶽神社には「恵比寿様」。
龍蛇神様をはじめとするさまざまな神様が境内社として鎮座されています。
目次
・歴史
・ご祭神とご利益
・行き方
・参道
・社殿
・祖霊社
・龍蛇神の社
・天神社・筑紫社・祓社
・御嶽神社
・八坂神社
・御朱印・お守り
・七五三
・和菓子「八雲庵」
・アクセス
・主な行事・お祭り
・出雲大社相模分祠の境内案内
・近くにある神社・寺
出雲大社相模分祠の歴史
出雲大社相模分祠は、1888年(明治21年)に島根県の出雲大社から、出雲の大神の御分霊を鎮祭。
大国主大神の御神徳を関東地方に広めるための要処として創建されました。
もともとは渋沢峠にありましたが、1975年(昭和50年)に現社地に移っています。
また、出雲大社相模分祠の創設者は「煙草の祖」と仰がれる草山貞胤翁。
当分祠を創設し積極的に神道布教につとめ、1895年(明治26年)に報徳二宮神社(小田原)を建立、初代社掌に就任。
各地で植樹をおこなうなど環境問題にも取り組んでいます。
翁の死後、その倹素質直の人柄や功績から緑白綬有功章・緑綬褒章を下賜。
境内には銅像があります。
出雲大社相模分祠のご祭神とご利益
ご祭神は、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)、事代主大神(ことしろぬしのおおかみ)、合祀祭神28柱(兼務神社23社のご祭神)。
大国様は国土を治める神で、大床主の神といわれ、地鎮祭の神、政治の神、農業の神。
因幡の白兎を助けられたように、病気や災害を除く方法を教えられた医薬や厄除の神様。
多くの試練にくじけない成功の神、学問の神。
…などさまざまなご利益があると信仰されており、特に縁結びの神としての御利益は有名です。
出雲大社相模分祠の行き方
出雲大社相模分祠は小田急小田原線の秦野駅と渋沢駅の間にあり、近い秦野駅から徒歩だと約30分。
途中に神社やお寺もあるので、ハイキング気分で行くのも楽しいです。
行きは太岳院・今泉神社・浄圓寺と寄り、出雲大社相模分祠を参拝。
帰りは「はだの桜道」通りでランチして、白笹稲荷神社を参拝後に秦野駅に戻るといったルートもおすすめです。
徒歩ではちょっと無理がある場合は、秦野駅と渋沢駅からバスが出ていますし、出雲大社相模分祠には駐車場が3カ所かあるので困りません。
駐車場は第1・2・3駐車場と3か所あり、その数130台分。
参拝者は無料で停められます。
また、スペースはそう広くないですが、駐輪場置場もあります。
出雲大社相模分祠の参道
第2駐車場から通りを挟んだ先に続く参道。
参道の途中にはヤギ。
名前はももちゃん。
女の子です。
見上げるほど大きい鳥居の右側には出雲記念館と、その奥に第1駐車場。
左側には、3社の境内社(天神社・筑紫社・祓社)、龍蛇神の社がある千年の杜、御嶽神社・八坂神社・第3駐車場に続く道。
鳥居を通ると、両サイドに臨時の手水舎。
手水舎は秋仕様に彩られていました。
手水舎の向かいには、干支の置物がズラリ。
今年の辰は鳥居のところにありましたが、2025年の巳が見当たらず…。
辰と同じく違うところに置かれているのでしょうか。
見つけられませんでした。
出雲大社相模分祠の社殿
参拝方法は出雲大社と同じく「2礼・4拍・1礼」。
参拝方法の案内と、大国様・龍神様がどーんと鎮座されています。
社殿は、大社造りと権現造りを組み合わせた独自の木造社殿様式。
翼幣殿と呼ばれる長い幣殿が目をひきます。
拝殿では、お宮参り・家内安全・縁結び・厄除け・交通安全など各種御祈願を斎行しています。
出雲大社相模分祠の祖霊社
出雲大社相模分祠の社殿向かって左側には祖霊社。
出雲大社の主祭神である大国主大神様は、幽冥(死後の世界)を治める幽冥主宰大神(かくりよしろしめすおおかみ)でもあるため、祖霊社の御祭神としても祀られています。
そのため、祖霊社での参拝も出雲大社と同じく「2礼・4拍・1礼」になります。
※祖霊社の参拝記はこちら
出雲大社相模分祠の龍蛇神の社
出雲地方に古来より伝わる龍蛇神様を、千年の杜の守り神としてお祀りしています。
古くより伝わる、旧暦10月10日に出雲に全国の神様が参集し縁結びの会議がなされる際に、神々をご案内・先導する神様が龍蛇神様です。
縁結び・金運の御利益があるとされています。
また、龍蛇神の社を流れる湧き水「ゆずりの水」は汲み取り可。
持ち帰り用のペットボトルも用意されています。
※龍蛇神の社の参拝記はこちら
出雲大社相模分祠の天神社・筑紫社・祓社
出雲大社相模分祠には多数の境内社が鎮座しています。
参道と千年の杜沿いには、天神社・筑紫社(つくしのやしろ)・祓社(はらえのやしろ)の三社。
天神社のご祭神は、神産巣日神(かみむすびのかみ)・少名毘古那神(すくなひこなのかみ)。
疫病除けのご利益があると言われています。
筑紫社のご祭神は、多紀理比売命(たぎりひめのみこと)・田寸津比売命(たぎつひめのみこと)・市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)。
縁結びや恋愛成就などのご利益があると言われています。
祓社のご祭神は、瀬織津比咩神(せおりつひめのかみ)・速開都比咩神(はやあきつひめのかみ)・気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)・速佐須良比咩神(はやさすらひめのかみ)です。
疫病除けのご利益があると言われています。
出雲大社相模分祠の御嶽神社
通称、御嶽さん(おみたけさん)と呼ばれる御嶽神社は、一の鳥居が通りに面して建てられています。
もちろん、出雲大社相模分祠と同じ敷地内にあるので、千年の杜や第三駐車場からも行けます。
御祭神は、日本武命(やまとたけるのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)・櫛真智命(くしまちのみこと)。
創立についての詳細は不明ですが、1192年(建久3年)頃より神社前の参道を御嶽道と称し、平沢村の鎮守神としてあった記録が残っています。
※御嶽神社の参拝記はこちら
出雲大社相模分祠の八坂神社
御嶽神社の近くに鎮座。
御嶽神社と同じく創建についての詳細は不明ですが、400年前よりこの地に鎮座しているといわれています。
御祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)・大国主命(おおくにぬしのみこと)。
疫病よけのご利益があると言われています。
また、八坂神社の鳥居近くには、樹齢1000年を超える欅の大木古木。
今は取り除かれたましたが、日照りの際、ケヤキの腰の位置の大きなコブを引っ張ると、伊勢原の大山阿夫利神社より恵の雨が降るとの伝承があります。
※八坂神社の参拝記はこちら
出雲大社相模分祠の御朱印・お守り
御朱印帳や御朱印は授与所でいただけます。
御朱印帳は、伝統工芸の蒔絵調に金箔を装丁した鳳凰と空想上の神獣をデザインした御朱印帳と、2024年は辰年であることから龍の御朱印帳と2種類あり(2024年10月現在)。
御朱印は、出雲大社相模分祠(初穂料500円)・御嶽神社(初穂料300円)・八坂神社(初穂料300円)とあり、季節限定御朱印も。
三社セットだと初穂料1,000円です。
他、切絵御朱印(初穂料1,000円)、龍蛇神の御朱印(初穂料1,000円)があります。
お守りやお札の種類も多く、絵馬やお札、おみくじはもちろん打ち出の小槌も!
しかも、サイズが豊富。
龍蛇神の社を流れる湧き水「ゆずりの水」のお水取り用のペットボトルもあります。
出雲大社相模分祠の七五三
出雲大社相模分祠の七五三祈願は予約不要。
9月から12月末頃まで受け付けています。
平日の受け付けは授与所でおこなわれていますが、シーズンとなる10月下旬頃からは境内に受付用テントが設置れ、土日祝日はこちらでの対応になります(平日は通常通)。
御祈祷は30分間隔でおこなわれており、申し込み順に最大24組までご案内。
付添いの(祖父母を含む)家族も一緒に昇殿できますが、混雑時はお祝いの御子様含め5名と制限されることもあるので、混雑しやすい土日祝は注意が必要です。
御祈願料は5千円、7千円、1万円。
お子様への授与品「おもちゃ入り福袋」には、御守・千歳飴など。
1万円以上では神話紙芝居もついています。
神話紙芝居は、古事記・出雲国風土記に伝承される出雲大社の御祭神オオクニヌシ大神様の活躍する出雲神話。
「国ゆずりのものがたり」「やまたのおろち」「イナバのしろうさぎ」の中から選びます。
また着付けや記念写真、会食などは、敷地内にある出雲記念館にて申し込み可能。
出雲大社相模分祠では境内での商用カメラマンの写真撮影は禁止(家族内での記念撮影はOK)されていますので、出雲記念館内のフォトスタジオと美容室(着付け)がセットになっている「七五三パックプラン」などがおすすめ。
こちらのプランにはご祈祷は含まれていません。
プランによって内容が変わり、事前に予約が必要です。
出雲大社相模分祠の和菓子「八雲庵」
御嶽神社の鳥居の前の道路を、「はだの桜みち」に向かって進み、突き当りの信号を渡り左に歩くとあります。
出雲大社相模分祠直営の和菓子店で、名物むすび大福や出雲の和菓子、地元特産の桜を使った和菓子などがあります。
営業時間/9:30~15:00(水曜定休)
出雲大社相模分祠の詳細
出雲大社相模分祠へのアクセス
- 小田急小田原線:秦野駅より車で11分
- 公式サイト:https://www.izumosan.com/
出雲大社相模分祠の主な行事・お祭り
- 1月:初詣、ダイコク市
- 2月:ダイコク市、節分祭、梅まつり、紀元祭、祈年祭
- 3月:春季祖霊大祭、桜まつり(限定御朱印)
- 4月:桜まつり(限定御朱印)、よさこいご縁まつり
- 5月:宗祠・出雲大社大祭礼
- 6月:あじさい限定御朱印、夏越の祓ー茅の輪くぐり
- 7月:夏詣(限定御朱印)、ほおずき市
- 8月:夏詣(限定御朱印)、宗祠・おくにがえり
- 9月:例祭、秋季祖霊大祭
- 10月:宗祠・神迎祭、宗祠・神在祭、七五三詣、菊花展(限定御朱印)
- 11月:七五三詣、菊花展(限定御朱印)
- 12月:七五三詣、年越の大祓
- 1日:月次祭
- 第一日曜日:祖霊社・月次祭
出雲大社相模分祠の境内案内
祖霊社 | 幽冥主宰大神(大国様)を祀り、「因幡の素兎」のウサギの御像が。 |
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龍蛇神の社 | 湧き水「ゆずりの水」が流れる千年の社に、出雲地方に古来より伝わる龍蛇神様を祀っています。 |
御嶽神社 | 通称、御嶽さん(おみたけさん)。将軍・徳川家康公も参拝しています。 |
八坂神社 | 樹齢1000年を超える欅の大木古木がある、疫病よけの神様。 |
出雲大社相模分祠近くのおすすめ神社・寺
浄圓寺 | 曹洞宗の寺院。南はだの村七福神・布袋尊と鶴亀めぐりのひとつです。 |
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今泉神社 | 住宅街の中にある大きな神社。春は桜がきれいで、例大祭では賑やかです。 |
白笹稲荷神社 | 関東三大稲荷の1つ。たくさんのお稲荷さんに秦野七福神、社殿の龍、黄金の泉と見ごたえがあります。 |
太岳院 | 相模新西国三十三観音霊場で、安藤忠雄氏設計のお寺。秦野七福神・福禄寿あり。 |