神奈川県横浜市緑区に鎮座する大石神社(おおいしじんじゃ)は、王子神社とともに長津田の鎮守として祀られている神社。
大石社(おおいししゃ)とも呼ばれている、横浜市青葉区しらとり台にある神鳥前川神社の兼務社の一つです。
ご神体の大石は、平安時代初期の貴族・平城天皇の孫・六歌仙・三十六歌仙とさまざまな顔を持つ在原業平(ありわらのなりひら)だという伝説があります。
10月に行われる例大祭では、神輿渡御がおこなわれ、「エイサッ、エイサッ」と大きな掛け声で周辺地域を巡行します。
目次
・歴史
・行き方と駐車場
・上宿常夜燈
・境内
・社殿
・境内社
・例大祭
・アクセス
・近くにある神社・寺
長津田大石神社の歴史
創立年代は不詳なものの、新編武蔵風土記稿では在原業平朝臣を祀ったものと伝えられており、「長津田村大石大権現祀」とも呼ばれていました。
ご神体は石。
御祭神は大石大神です。
平安時代に在原業平が東国下向した際、この地で賊に取り囲まれ火を放たれ、そのあとに大きな石が残されていた…という話が、御神体の起源とされています。
ただ、境内にある御由緒板には、「その真偽については定かではない」といったことが書かれています。
長津田大石神社の行き方と駐車場
JR横浜線長津田駅の南口から駅前通りを通り、旧大山街道沿いに歩いていくと、大石神社の鳥居が見えてきます。
旧大山道に面する小高い丘の上に鎮座しています。
この丘は、神社の名から「大石山」と呼ばれています。
駐車場は鳥居の手前にある、急な坂道を上った先にあります。
この坂は「大石神社の女坂」と呼ばれています。
長津田大石神社の上宿常夜燈
坂の途中には長津田上宿常夜燈が残されています。
上宿常夜燈は1843年(天保14年)に秋葉講中によって建立。
燈籠正面には「秋葉山」の文字が刻まれ、基礎部分と中台側面に彫刻、火袋部分には天狗の羽扇の透かしがあります。
下宿常夜燈とともに、横浜市の地域史跡に登録されています。
また、上宿常夜燈前の手前に立つのは豊作を祈願する地神塔です。
長津田大石神社の境内
石の鳥居の先には、高い木々に囲まれた急な石段。
石段の先にもう一つ鳥居があり、こちらは「大石神社の男坂」と呼ばれています。
鳥居の先には、開けた台地。
左側に境内社の大石稲荷社。
右側には神楽殿がある広場。
お祭りでは屋台が並ぶなど賑やかになることも。
境内には、長津田十景の1つに選定されている「大石観桜(おおいしかんおう)」があります。
桜の時期には是非参拝したい。
また、ご神木であるモミ2本とシラカシ5本の樹木が横浜市名木古木に指定されています。
ただ、モミの1本は2018年10月の台風で折れて倒れてしまい、現在は切株の状態。
本殿には少し枝が当たっただけで大きな被害はなかったということからも、ご加護のおかげかもしれません。
もう1本のモミの木は参道を挟んだ反対側にあります。
長津田大石神社の社殿
本殿前にある手水鉢は、文政12年銘のものです。
社殿は石で囲まれた台の上に建っています。
長津田大石神社の境内社
拝殿の左側には、大石稲荷社が鎮座しています。
長津田大石神社の例大祭
10月上旬におこなわれる例大祭では、神輿渡御もおこなわれ長津田周辺で盛り上がります。
「エイサッ、エイサッ」と大きな掛け声と共に神輿が回り、長津田駅にも。
宮入りの、社殿前の急な階段を神輿を担いで登っていく様子は迫力があります。
いつもは静かな境内ですが、例大祭ではさまざま露店が並び賑やかです。
長津田大石神社の詳細
長津田大石神社へのアクセス
- 東急田園都市線・JR横浜線:長津田駅より徒歩8分
長津田大石神社近くのおすすめ神社・寺
大林寺 | 江戸幕府の旗本岡野家の菩提寺。鐘は長津田十景の一つで、登録文化財も多数あり。 |
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金毘羅神社 八坂神社 | 線路伝いの丘の上にある神社。多数の石碑があります。 |
長津田王子神社 | 大道路から一本はいった高台にある神社。鳥居前の大きなモミの木が印象的です。 |
福泉寺 | お寺のテーマパークと言っていいほどいろんな参拝スポットがあります。 |