こま通りから1本入った場所にある大山の茶湯寺は、死者の霊を百一日の茶湯で供養する「百一日参り」の寺。
山内には死者供養のための石仏が多数あり、供養に行くと死者に似た人に会えると伝えられています。
また、本尊の釈迦涅槃像は市の重要文化財です。
本尊から涅槃寺とも呼ばれている茶湯寺は、1952年(昭和27年)に大山にあった浄土宗霞川山西願寺と誓正山西迎寺が合併され、西迎寺があった場所に創建されたお寺です。
目次
・101日参りとは?
・行き方と駐車場
・参道の石仏
・わらべ地蔵様
・本堂
・ご供養
・アクセス
・大山阿夫利の案内
茶湯寺(涅槃寺)の101日参りとは?
一般的に、故人が亡くなってから100日目をめどに法要「百日忌」がおこなわれますが、伊勢原市の一部地域では、故人が亡くなって101日目に大山の茶湯寺にお参りにいくという風習が残っています。
亡くなられた方の霊は四十九日まで家の棟の下にいて、五十日目から黄泉路の旅へ出発。
残された家族が四十九日に菩提寺に上げる四十九個のおもちをお弁当に、毎日お佛壇にそなえるお水でのどをうるおし、100日目に極楽の門に到着。
仏様に成られます。
101日目は、仏様と成られた故人が御先祖様の仲間入りの為に我が家へ帰る日。
家族の方は故人が無事に成仏したお礼詣りに大山茶湯寺へ参拝します。
故人に似た人を見るというのは、茶湯寺で家族が来るのを仏様が待っていて、家族が来たことへの喜びを示している…ということのようです。
茶湯寺(涅槃寺)の行き方と駐車場
車で参拝する場合、茶湯寺に専用駐車場はありませんので、大山阿夫利神社参拝と同じく周辺の有料駐車場に駐車します。
※駐車場についてはこちら
電車で参拝する場合は、小田急線「伊勢原駅」下車。
北口にあるバス4番線、神奈川中央交通バス伊10系統「大山ケーブル」行きに乗車。
終点「大山ケーブル」で下車し、こま参道を通って行きます。
こま参道の途中にある「茶屋寺入口」と書かれた石塔(下部に赤字で書かれています)を目印に、左手「平の屋」さんを川側に抜けたところにある橋を渡った先にあります。
こま参道からだとちょっとわかりにくく、見落としてしまうこともあるため、こま参道と鈴川の間にある道をいくとわかりやすいです。
茶湯寺(涅槃寺)の石仏
参道にはさまざまな石仏が置かれており、光背の一つに○キの刻字があるものも。
これは、隠れキリシタンのものではないかといわれています。
茶湯寺(涅槃寺)のわらべ地蔵様
わらべ地蔵様はそれぞれポーズが異なり、意味があります。
向かって右端から…
1、大勢の人々の願い事をじっと耳をすまして聞いておられるお姿。
2、無理難題にどうして願いをかなえてやろうかとじっと考え込んでいるお姿。
3、お願いことが叶うように一緒になって祈るお姿。
4、生きていることの有難さや命の尊さ、愛情の大事さ、物の大切さを教えるお姿。
5、願い事が叶ったことを共に喜び、嬉しそうにVサインを送っているお姿。
6、願い事が叶った大勢の人々の喜びの声に、ほっと背伸びし一息ついているお姿。
仏さまも大変です。
参拝された際には、是非近くで!!
茶湯寺(涅槃寺)の本堂
本堂には、伊勢原市の重要文化財「釈迦涅槃像」が置かれています。
釈迦涅槃像は木造で像長164.5㎝。
右手を枕にして横臥する等身大で、お釈迦様が涅槃に入った(亡くなった)時の様子を表しています。
江戸時代の作品で、彫刻としての涅槃像は日本では少なく貴重。
いくつかの木を合わせた寄木造で、頭部は前後で矧ぎ、首の部分を体部に差し込んでいます。
体部は前後左右で四材を矧ぎ、右脇の下に右腕となる二材を。
体内には木札が納められており、記録から1877年(明治9年)に修理されたことがわかっています。
ちなみに直書きの御朱印もあります。
ただ、住職様がご不在の時はいただけないようです。
茶湯寺(涅槃寺)のご供養
茶湯寺は浄土宗のお寺ですが、百一日参りでは宗派を問わず供養してくれます。
供養は事前に電話予約が必要で、対応時間や定休日もあり。
ただ、状況によっては当日も受け付けてくれるようです。
また、供養では戒名が必要です。
お布施ははっきりとした金額は決まっておらずお気持ちになるようです。
読経後は、お仏壇に飾る涅槃像の絵と御供茶、お墓の土に埋めるか燃やして撒く梵字のお札をいただきます。
茶湯寺(涅槃寺)の詳細
茶湯寺(涅槃寺)へのアクセス
- 小田急小田原線:伊勢原駅より神奈川中央交通バス「大山ケーブル」下車、徒歩8分
- 公式サイト:https://tyatoudera.syarasoujyu.com/index.html
大山阿夫利の案内
大山阿夫利神社(下社) | ケーブルカーで来れる山中の神社。晴れた日には、鳥居から遠く江ノ島までの眺めは最高です。 |
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大山名水神泉 | 大山阿夫利神社境内にある名水。水は汲んで持って帰れます。 |
登拝門 | 大山阿夫利神社の本社に続く門。しっかりとした登山スタイルの準備が必要です。 |
売店・茶屋処さくらや | 大山阿夫利神社にある昔ながらのお茶屋さん。オープンスタイルで甘味も人気。 |
大山 参集殿 洗心閣 | 山荘のような造りの休憩所。軽食も用意されています。 |
茶寮 石尊 | テラス席からも眺めも最高な茶屋。おしゃれな店内で甘味やドリンクをいただきます。 |
大山寺 | 中腹にあるお寺。秋の紅葉時には多くの人が訪れる名所です。 |
駐車場・こま参道・ケーブルカー | 伊勢原駅よりケーブルカー乗り場まで、多数の神社が散在しています。 |