妙本寺(読み方はみょうほんじ)は、身延山久遠寺(山梨)と池上本門寺(東京)と並ぶ日蓮宗最古級の寺院のひとつ。
鎌倉時代の有力御家人・比企能員(ひきよしかず)邸があった場所であり、「比企の乱」にて第2代将軍源頼家の子・一幡をも含んだ一族が滅ぼされた悲劇の地でもあります。
唯一の生き残りである比企能員の末子・比企大学三郎能本がこの地を献上し、一族の菩提を弔ってもらうために建立されたのが妙本寺です。
そんな悲劇の歴史を感じさせない穏やかな境内は、年間を通じてさまざまな自然美をみせてくれます。
春の妙本寺境内はモミジの新緑がとても美しいだけでなく、ヤマブキやシャガなどの花も楽しめ、特に海棠(カイドウ)は見どころの一つとなっています。
目次
・桜風景
・祖師堂の海棠
・モミジの新緑
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
・近くのおすすめグルメ
妙本寺の桜
本数はそこまで多くはないですが、ソメイヨシノやしだれ桜、八重桜が植えられており、少し時期をずらして順々に開花していきます。
例年では、3月下旬頃からソメイヨシノが開花し始め、4月上旬に満開。
海棠も同じ時期に楽しめます。
そして、ソメイヨシノと海棠が見頃を過ぎた頃、八重桜やしだれ桜が見頃を迎えます。
桜の種類によって色も若干異なるので、タイミングがあえばピンクのコントラストを満喫できます。

妙本寺の海棠
日蓮宗の開祖・日蓮聖人(祖師)を祀る祖師堂の両サイドには海棠(カイドウ)の木。
妙本寺の海棠は、鎌倉の海蔵寺と光則寺と合わせて、鎌倉三大海棠の一つに数えられています。
ちなみに、現在の海棠は3代目。
江戸時代、妙本寺門前の青木彦兵ヱが左右一対として奉納したのが始まり(1代目)だそうです。

祖師堂左側の海棠は、結婚式の前撮り撮影でも人気。
この日もカップルが撮影にいそしんでいました。
そして反対側にも海棠。
日当たりの問題なのか、こちらの海棠は若干咲き遅れているような感じがしました。
また、こちらの海棠は近代詩人の中原中也の「中原中也の思い出」にも登場しており、文芸評論家の小林秀雄と連れ立って訪れ、散りゆく海棠を眺めた後に鶴岡八幡宮境内の茶店でビールを飲んで和解したと記されています。
なんでも、小林秀雄が中原中也の恋人を略奪し、8年間絶交状態にあったのだとか。
妙本寺のモミジの新緑
堂々たる風格の祖師堂は、建長寺の仏殿と並ぶほど規模の大きい木造仏堂建築。
広くとられた縁側では、休憩される方の姿もみられます。
本堂横にはモミジの新緑が広がり、本堂とあいまって美しい光景をつくっています。
妙本寺の花御堂
本堂正面に花御堂が用意されており、誕生佛に甘茶をかけられました。
また、10時より釈尊御降誕会法要がおこなわれていました。

妙本寺の詳細
妙本寺へのアクセス
- JR湘南新宿ライン・江ノ島電鉄:鎌倉駅より徒歩8分
- 公式サイト:https://www.myohonji.or.jp/
妙本寺の主な行事・お祭り
- 1月:蛇苦止大明神正月大祭(年間祈祷会)
- 2月:釈尊涅槃会
- 3月:春季彼岸会中日法要
- 4月:花祭り(釈尊降誕会)、千部会
- 5月:蛇苦止大明神五月大祭
- 8月:盂蘭盆大施餓鬼会
- 9月:蛇苦止大明神九月大祭、龍口法難会特別開帳、御会式、秋季彼岸会中日法要
- 12月:除夜の鐘
- 1日:蛇苦止大明神例祭
- 毎日:写経体験(行事がある日を除きます)
妙本寺近くのおすすめ神社・寺
蛇苦止堂 | 妙本寺の境内社。将軍・源頼家の側室で比企能員の娘・若狭局を祀る神社です。 |
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常栄寺 | 通称「ぼたもち寺」と呼ばれる日蓮宗のお寺です。御朱印は「ぼたもちの和歌」で2種類あり。 |
八雲神社 | 疫病の流行から京都祇園社の祭神を勧請した厄除けで有名な神社。「祇園さま」と呼ばれています。 |
本覚寺 | 日蓮宗寺院。鬼門除けとして「えびす神」を祀った夷堂があります。 |
大巧寺 | 「おんめさま」と呼ばれる安産・子育て祈願で有名なお寺。手入れされたお庭を歩くだけでも気持ち良いです。 |
蛭子神社 | 七面大明神・夷堂(本覚寺)・山王大権現(宝戒寺)を合祀。社殿は鶴岡八幡宮末社の今宮から譲り受けています。 |
妙本寺近くのおすすめグルメ
鎌倉かつ亭 あら珠 | トンカツ専門店。テイクアウトのお弁当も人気。 |
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朝ごはん | 6時半から9時までの和定食の朝食専門店。 |
喫茶モア | 古風なヨーロピアン風喫茶店。リーズナブルなランチ。 |
カフェ久時 | 登録文化財で有名な湯浅物産館内にあるカフェ。こだわりの木炭焙煎珈琲をレトロ・モダンな店内で。 |