会場は大爆笑!イグ・ノーベル賞授賞式

人を笑わせ、そして考えさせる研究」に贈られるイグ・ノーベル賞。
創設したのは、マーク・エイブラハムズさん。
サイエンス・ユーモア雑誌「風変わりな研究の年報」の編集者です。

面白いけど日の目を見ずに埋もれてしまった研究業績に対して、その想像力を称えるため。
また、科学や機械、テクノロジーへの興味関心を高めるために始められたそうです。

2018年の授賞式は、日本時間の14日(金)、
朝7時からアメリカのハーバード大学サンダースシアターでおこなわれました。

今年は、長野県駒ケ根市の昭和伊南総合病院に勤務する堀内朗医師が、医学教育賞で受賞。

受賞理由は、「座位でおこなう大腸内視鏡検査ー自ら試してわかった教訓」。

もう、笑っちゃいます(´皿`●)

 

えっ、どういうこと?
と思われる方も多いことでしょう。

大腸内視鏡検査は、大腸がん検診などでおこなわれる検査の一つ。

横になった状態で、肛門から管状の内視鏡を体内に入れていくのが一般的なやり方ですが、堀内医師は座った姿勢の方が苦痛も少ないとして、それを自らの体を使って実証したのです。

椅子に座り少し股を開き、小さい口径の内視鏡を自分の肛門にゆっくりといれたところ、驚くほど簡単にできたと、その体験談をアメリカの学会誌に発表したのが評価されたんですね。

ただ…

この座って受けるやり方はなかなか恥ずかしいものですから、いくら簡単でもやりたがる人はほとんどなし。
堀内医師が勤務する病院でも採用されていないそうです。
( *´艸`)




受賞スピーチでは、60秒以上のスピーチはNG。

堀内医師の受賞スピーチが60秒を超えたため、進行役の女の子から
飽きちゃったからもうやめて
とお約束のお笑いシーンも。

さすが、「人を笑わせ、そして考えさせる研究」に贈られるイグ・ノーベル賞の授賞式ですね。

ちなみに、この女の子に贈り物で買収することで講演を続けることができると、なんともユニークな決まりがあるんです!
ただし、たまに買収が失敗して、プレゼントだけ持っていかれてしまう事もあるよう。

また、授賞式の講演では、聴衆から笑いをとることが要求されます。
観客もおとなしく聴いているだけでなく、最初に全員が紙飛行機を作って投げ続ける…なんて習わしもあるほど。

受賞者は一本の長いロープにつかまって、一列になって壇上に登場。
これは、引率される幼稚園児のパロディなんだそうです。

 

ちなみに、このイグ・ノーベル賞の受賞国はアメリカが一番多く、次にイギリス、そして日本となっています。

日本人がこれまで受賞した、笑って、考えさせられるユニークな研究の数々は以下!

1992年・医学賞
足の匂いの原因となる化学物質の特定

1995年・心理学賞
ハトを訓練して、ピカソの絵とモネの絵を区別させることに成功

1996年・生物多様性賞
岩手県の岩石からミニ恐竜、ミニ馬、ミニドラゴン、
ミニ王女など1000種類以上に及ぶ「ミニ種」の化石を発見

1997年・生物学賞&経済学賞
ガムの味によって脳波はどう変わるのか?
「たまごっち」で、数百万人分の労働時間を仮想ペットの飼育に費やさせたことに対して

1999年・化学賞
夫のパンツに吹きかけることで浮気チェックできる「Sチェック」開発

2002年・平和賞
ヒトとイヌに平和と調和をもたらした、犬語翻訳機「バウリンガル」

2003年・化学賞
ハトに嫌われた銅像の化学的考察による、カラス除けの合金開発

2004年・平和賞
カラオケという業績に対して、歌う事で相手に苦痛を与え、自らも聴く苦痛に耐え忍ばなければいけないことについて

2005年・生物学賞&栄養学賞
131種類の蛙がストレスを感じているときに出す特有のにおいをカタログ化
34年間の食事から、脳の働きや体調に与える影響を分析

2007年・化学賞
牛の排泄物からバニラの香成分を抽出する研究

2008年・認知科学賞
単細胞生物・真性粘菌が迷路の最短経路を見つけることを発見

2009年・生物学賞
パンダの糞に含まれる菌を使った生ごみの減量成功

2010年・交通計画賞
粘菌に迷路を最短で通り抜ける力があり、鉄道網のモデルを作る事を発見

2011年・化学賞
わさび警報装置の開発

2012年・音響賞
迷惑なおしゃべりの制止に、話した言葉をほんの少し遅れて聞かせる「スピーチ・ジャマー」装置の開発。

2013年・化学賞&医学賞
玉ねぎを切ると涙が出る理由
オペラでマウスが延命する

2014年・物理学賞
バナナの皮はなぜ滑るのかを解明

2015年・医学賞
キスでアレルギー反応が減弱する研究

2016年・医学賞
股のぞき効果の研究

2017年・知覚賞
オスとメスが逆転する性器の大発見

 

毎年テーマがあり、その中から10部門が受賞。
ノーベル賞に関係ない賞もあり、ジャンルは多種多様です。
だからこそおもしろいのかもしれません。

そんなユニークな賞が、現在、東京ドーム・シティで展覧会「イグ・ノーベル賞の世界展」でみることができます。

世界初ともいえる公式展覧会で、受賞研究の紹介や体験コーナーなどが楽しめます。
もちろん、ユーモア満載の関連物販販売もあり。

ちょっと行ってみたい気もします。
小難しいイメージがありがちな賞も、これなら子供から大人まで楽しく知ることができそうですね。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です