孫が愛読している「宇宙兄弟」。
以前、テレビでやっているのを少し見たことがありますが、この漫画でとても興味深い話を聞きました。
難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治す薬を作ろうと、登場人物にちなんだ「せりか基金」というのを設立しているのだそうです。
ALSとは、運動神経が少しずつまひし、全身の筋肉が動かなくなってしまう病気です。
国内の患者数は1万人近く、その原因は不明で治療法もわかっていません。
「宇宙兄弟」は、宇宙飛行士になる夢を持った二人の兄弟のお話です。
その登場人物の一人であり、せいか基金のモデルとなった伊藤せりかは、子どもの頃に父をALSで亡くしており、そうした経験から宇宙飛行士になって、国際宇宙ステーションでALS治療薬の開発実験に取り組みます。
伊藤せりかの父だけでなく、天文学者の金子シャロンという女性もALS患者として登場しています。
せりか基金の活動をおこなうのは、「宇宙兄弟」の作者さんの会社。
2017年5月に設立し、サイトで寄付を募ったところ、1千万円以上の寄付が集まったとか。
患者さんやそのご家族からしてみたら、大変うれしい事ではないでしょうか。
12月には授賞式がおこなわれ、ALSの研究をおこなう2名の先生に研究費としてお渡ししています。
研究には莫大なお金がかかると聞きますから、これで少しでも研究が前進するといいですね。
ALSが進行すると、しゃべることもできなくなります。
自分の意思を伝えるには、視線でパソコンを入力するか(透明文字盤の特殊なものがあるんですね)、患者さんが示す口の形から伝えたい文字を介助者が読み取る口文字。
「宇宙兄弟」の中では、治る病気として描かれています。
この基金を通じて、ALSという病気が世に知られていくこと、そして一刻も早い治療法の発見が期待されることを願います。