生死の現場で感じる葛藤

昨日、夕方から薬剤師仲間と一緒に食事。
彼女は病院に勤務する薬剤師さんで、後輩の指導にもあたる管理薬剤師。
なので、自然と新人さんの話になりました。

彼女が務める病院は大手企業系の病院。
そこで長く勤めているわけですが、それもひとえに先輩方が優しくて親切。
同期とも仲良く、医師や看護婦との関係も良好。
仕事もしやすい環境だったからだそうです。

病院での薬剤師の仕事は、医師から言われた薬をただ処方すればいいだけではありません。
医師と看護婦、そして薬剤師がそれぞれの専門分野から連携プレー。
いわゆるチーム医療です。
その連携も問題なくできているというのですから、最高の職場ではないでしょうか。
職場の人間関係が悪かったら、いくらお給料が良くても続けるのは難しいですからね。

ちなみに、お給料に関しては…ちょっと低めだそうです。
確かに病院は、薬剤師の職種の中でも低くなりがちなので、いくら大企業とはいえそこは仕方なし。
ただ、残業もほとんどないし、有給休暇も取りやすいのですからいいですね。
(逆に残業があればお給料も高くなる!?)

 

そんな、なかなか良い職場なのですが、一つ大きな試練があります。
それは、チーム医療だからこそ近い患者さんとの距離感。
実際、感情移入しすぎて耐えられなくなり、病院を辞めていく薬剤師さんも少なくありません。
ガンなどの辛い闘病生活を目の当たりにすることで、見ている方も辛くなるんですね。
もちろん、亡くなられるかもいらっしゃいます。
大きな病院程、生きる事、そして避けられない死について深く考える機会が多いのです。

彼女の職場の新人さんで一人、そうした葛藤からうつになってしまったらしく…。
「割り切ってやるしかない」
と、医師や看護婦さんも交えて話したそうなんですが、どうしても受け入れることができず辞めてしまったのだそうです。

 

メンタルが弱いと言われればそれまでですが、きっと優しすぎたのではないでしょうか。
次はちょっと患者さんと距離が置ける職場…調剤薬局とかがいいかもしれません。
良い職場がみつかるといいな…なんて話をしたのでした。

病院での仕事は、チーム医療でやりがいを感じやすいといわれています。
それは間違いではないですが、その分、覚悟が必要となります。
患者さんが病気から回復されて退院する一方、残念な結果になることもある…人の命について考えさせられる職種なんですね。




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