ちょっとレトロ感あふれる表紙。
「使用人探偵シズカ―横濱異人館殺人事件―」。
使用人探偵シズカ 横濱異人館殺人事件 (新潮文庫) [ 月原 渉 ] 価格:594円 |
レトロ感満載のミステリーです。
時代は明治。
頼りない主人公に、有能な使用人・シズカ。
その他、訳ありの招待客。
閉ざされた洋館で、絵画の通りに人が首をつられて殺されてしまいます。
いわゆる、見立て殺人。
昔に描かれた絵画通りに人が死んでいくのですから、トリックはどうなっているのか…悩みました。
「これは本当にタネがあるの?」
と思ってしまうほど、オカルトめいた仕掛け。
(わかってしまうと簡単)
読んでいてハラハラドキドキしてしまうミステリーです。
「使用人探偵シズカ―横濱異人館殺人事件―」のストーリーは以下↓
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嵐に閉された異人館で、「名残の会」と称する奇妙な宴が始まった。
館の主は謎めいた絵を所蔵する氷神公一。
招かれたのは画家に縁のある6人の男女――。
次々と殺されていく招待客(ゲスト)たち。
絵の下層には、なぜか死んだ者が描かれていた。
縊られた姿もそのままに。
絵は死を予言しているのか。
絵画見立てデスゲームの真相とは。
使用人探偵ツユリシズカの推理が冴える本格ミステリー。
*「使用人探偵シズカ―横濱異人館殺人事件―」裏表紙より
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舞台設定は、横浜の外国人居留地にある名残館。
名前からして、なにかいわくつきな感じがプンプンします。
嵐と、犯人による工作で外界と切り離されてしまい、一人一人と首を吊った状態で殺されていきます。
なによりも不思議なのが、その殺される様子が絵画で何年も前に描かれている事。
クローズドサークルもので、よくできているミステリーと思います。
が!
トリックはわからなくても犯人はわかります。
だって、あきらかにおかしいところが…。
まぁ、昔のおどろどろしい殺人や背景を楽しむのにはいいのではないでしょうか。
犯人はわかりやすいけど、絵のトリックには考えさせれました。
でも、わかってしまうと、
「単純に考えればそうか」
とも思えるほど。
最後の終わり方がちょっと消化不良にも感じられますが、作品自体がおどろおどろしているので、それもありかなと。
軽い金田一シリーズみたいな印象を受けました。
ミステリー上級者にはライトな読みごたえに感じるかもしれません。
全体的にもやっとした感じですが、まったくつまらないという事はないなかったので、また機会があれば違う作品を読んでみたいと思います。